会計士は最強のコンサルティング資格。20代で独立開業した会計士 足立仁氏、プロフェッショナルの仕事とは?

会計士は最強のコンサルティング資格。20代で独立開業した会計士 足立仁氏、プロフェッショナルの仕事とは?

税理士法人ファザーズ 足立仁氏(公認会計士)

「会計士は最強のコンサルティング資格」そう語ったのは、現在創業7期目を迎える税理士法人ファザーズの代表 足立仁さん。
20代で独立開業という道を選択した足立さんにとって、仕事のやりがいは「困難な課題を解決した瞬間」だという。独立会計士のやりがいや苦労したことについて率直な実体験を伺いました。

独立開業の背景 大手監査法人を卒業してチャレンジした理由とは?――独立開業して7期目、所員も雇用され大変なご活躍ですね。なぜ独立開業という道を選択したのか?その経緯を教えてください。

特殊な経歴かもしれませんが、会計士2次試験合格後、監査法人以外での就業を希望していたため、私の経歴は税理士法人中央青山からスタートします。

税理士法人中央青山で税務を経験し、新日本有限責任監査法人で上場企業の法定監査を経験、PwCあらた有限責任監査法人では、外資系企業の監査や海外拠点の監査を経験しました。
PwCあらた有限責任監査法人で3年経験したタイミングで、これまでのプレイヤーとしての経験がどこまで通用するかチャレンジしたいと思い税理士法人ファザーズを設立しました。

また、監査業務と税務の違いでもありますが、税務の成果は、『いくら節税できたか』が成果であり、その成果は税理士の能力・実力次第で変わってくるところも、非常にやりがいのある仕事だと感じていました。

――税理士法人ファザーズでは、なぜ『相続』を強みにされていらっしゃるのでしょうか?

『相続』は私が以前より関心を持っていました。
「親世代の財産をいかにスムーズに子世代に移転するか」、高齢化が進む日本社会で、需要はまだまだ伸びると感じていました。
また、中小企業のオーナー社長に対して、税制改正等で変化も多いこの領域に会計士が介在することは非常に意義深いことだと感じていました。

マーケット拡大の中で意義深いことにチャレンジできると思い『相続』を強みにお客様の支援をしています。

独立会計士のやりがいと仕事術

独立会計士のやりがいと仕事術――足立さんが「独立してよかった!」とやりがいを感じるはどのようなときですか?

私がやりがいを感じるのは、『困難な課題を解決した瞬間』です。

相続税申告の仕事はお客様としっかり向き合い、お客様の本音を聞く仕事です。
ご遺族の皆様個々人の要望や思いも汲み取っていかなければなりません。ただ手順に沿って電卓はじいて、税金はいくらというだけの仕事ではありません。
お客様としっかり向き合うことで、本質的なニーズを汲み取り、そのニーズに最大限応えるためにも困難な課題に取り組んでいかなければなりません。

課題に対する解決策が何万通りもある中で、これこそベストな解決策だとお客様に対して自信をもって提案し、その解決策をお客様に選んでいただいた瞬間、仕事のやりがいを強く感じます。同時にこれらの評価や感謝が、組織ではなく、私個人にダイレクトに紐づくところも独立したからこそのやりがいだと感じております。

――独立されると大変なこともあるのでは?独立からこれまでに実際に大変だったと感じたのはどのようなときですか?

正直に申し上げて、人手が足りないときは大変です。おかげ様でご依頼件数が増え、一時的にご依頼が重なるときは、自分がもう一人ほしいと思います(笑)
大規模組織であれば、違うチームから人を借りてくることもできますが、小規模だと、自分で何とかしなければならないし、成果にもこだわりたいので大変です。

――そのような、時間的・物理的な課題はどのように解決するのでしょうか?

最終的にはもちろん、自分で何とかします(笑)
ただ、独立会計士は決して孤独ではありません。多くの優秀な会計士とのネットワークがあり、相互に助け合いながら仕事をするケースもあります。
このネットワークづくりは独立開業する会計士にとっては非常に重要だと思います。

――そのお客様からのご依頼や、会計士ネットワークはどのようにして作られるのでしょうか?

私も、最初から多くのご依頼やネットワークを持っていたわけではありませんでした。
今改めて思うことですが、仕事の数は配った名刺の数に比例すると思います。

独立すると、自分個人が商品なので、多くの人に会って、自分を売り込む活動は重要だと思います。私の場合、開業当初は1年間で1000枚は名刺を配り、多くの方にご挨拶の機会をいただきました。
いただいたご依頼に対して、顧客満足の高い成果をだせると、徐々に紹介のお客様も増え、会計士ネットワークも構築されてきます。

独立開業を目指す若手会計士の方へメッセージ

独立開業を目指す若手会計士の方へメッセージ――足立さんが会計士を目指された理由を教えてください

私が会計士資格を目指した理由は『物事を計量的にとらえたい』という思いからでした。物事を判断するうえで何か客観的に判断する基準が必要だと感じていました。

そんなときに、会計士は損得勘定をもとに意思決定に重要なアドバイスができたり、判断することができたりするのではないかと思いました。
損得勘定は人が意思決定するためにとても重要な要素だと思います。

――将来独立を考えている後輩会計士の方々に向けて何かアドバイスはありますか?

ライバルが増えると困るというのは本音としてありますが、良きライバル・良き仲間が増えることは大変喜ばしいことだと思います。
私は、会計士資格は、コンサルティングに必要な知識をバランス良く身に着けられる、最強の資格だと思っています。会計士は企業のコンプライアンスや会計、税務、会社法、人によっては民法にも詳しくなります。

私が中堅企業様のコンサルティングをしていても、税務申告はもちろんですが、上場も視野に入ってくると会計知識が活きるし、社内トラブルについての相談があったときは会社法の知識が活きてきます。知識を活かしながらも、お客様の立場に立って、最終的に損得計算で実利的なアドバイスができるのは会計士ならではだと思います。

その知見を活かせば可能性は広がると思っていますので、独立開業に限らずさまざまな方面で活躍してほしいと思っています。

――足立さんは、多忙な中でどのような勉強や情報収集をされているのでしょうか?

特別なことではありませんが、まず基本が大事。そして、最先端の情報を積極的に学びにいく姿勢も大事だと考えています。
基本については、資格の専門学校のテキストに書かれている基本的な知識が実はものすごく役に立ちます。学校で勉強したことと実務と直結しているので、受験生も一生懸命勉強してほしいと思います(笑)

最先端の情報は、情報キャッチはもちろんのこと、自分で試してみたり、詳しい方に話を聞いてみたり、受け身ではなく自ら積極的に情報をとりにいくことが重要だと思います。
たとえば仮想通貨についてですが、会計基準や税法通達が出るのを待っているだけでは、お客様からの要望に応えきれなくなってしまうと思います。
私は仮想通貨を買ったり、詳しい方と意見を交換したりして、私なりの意見・見解を持つようにしています。

新しい分野で、優秀な経営者が新しいビジネスをどんどん作っています。
企業や経営者から相談された時、「何も知りません、会計基準や税法通達が出ていません」ではなくて、自らの意見・見解としてお伝えすることが信頼につながっていくと思います。
独立会計士は、業務だけではなく、常に営業活動と勉強することが非常に重要だと思っています。

ありがとうございました。

足立仁Profile
東京大学 経済学部卒業
税理士法人中央青山
新日本有限責任監査法人
PwCあらた有限責任監査法人
税理士法人ファザーズ設立

趣味
料理・今の季節(取材時11月)は鍋料理を作ります。
休日の過ごし方
スーパーを回って、珍しい食材を見つけて、レシピを調べて料理をするとあっという間に一日が経ってしまいます。